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地図太郎Liteで育む探究型地理学習の実践例
2026.04.07

三田国際科学学園中学校・高等学校 世良田基暉先生
2026年3月 記事作成
三田国際科学学園中学校・高等学校は、国際教育・科学教育・探究学習を柱に、社会や人類に貢献できる人材の育成を目指す中高一貫校です。ICT教育にも力を入れ、生徒が自ら学びを広げ、深め、形にしながら、主体的に考え行動する力を育んでいます。
URL:三田国際科学学園中学校・高等学校
今回インタビューしたのは、三田国際科学学園中学校・高等学校で社会科・地歴公民科を担当されている、世良田基暉(せらた もとき)先生です。世良田先生は、ICTを活用しながら、生徒が自ら問いを見いだし、データや地図を根拠に考えを深める探究的な学びを大切にされています。
地図太郎Liteを活用し、地域の特徴を読み取る学習を通して、生徒が多面的に考え、事象を捉える力を育む学習を実践し、その学習成果を授業実践報告に挙げていただくなど、ICTを活用した地理学習の推進にも取り組まれています。
実践報告:中学校地理的分野における気候から世界の諸地域の特色を見出す生徒のGIS利用.pdf
取材では、中学校の授業で利活用する中で感じた生徒たちの反応や高校の地理総合を見据えた地図太郎Liteの期待や課題についてお話しいただきました。
- 目次
4:高校の地理総合を見据えた中学校地理学習と「地図太郎Lite」のこれから
授業での地図太郎Liteの活用
―――地図太郎Liteを利用しようと思ったきっかけについて教えて下さい。―――
地図太郎Liteを導入したきっかけは、数多くのレイヤを簡単かつ自由に重ね合わせることで、地図を通して生徒が考え、表現できる点に魅力を感じたためです。
生徒が地図を手がかりに、多面的で自由な思考力を養うことができるとも考えました。
また、地理学習において重要な地域や事象の位置・分布を視覚的に捉えられることが、生徒の地理的思考力を育てるきっかけになると考え、導入を決めました。
授業での活用と実践的な学び
―――地図太郎Liteは授業のどのような場面で使われていますか?―――
地図太郎Liteは、授業の導入からまとめで幅広く活用しています。
2学期の「世界の諸地域」の学習では、毎回の授業の最初か最後に地図太郎Liteを使い、地域の特色を自分なりの言葉で表現する時間も設けていました。
―――授業の導入ではどのような使い方をしていますか?―――
授業の導入では、地図太郎Liteを使って各国の事象や位置関係を視覚的に捉えさせています。
生徒は地図を見ながら自分なりの視点や問いを持ち、地理的事象について主体的に考えたうえで、その後の教科書を用いた学習へとつなげています。
―――授業のまとめではどのような使い方をされていますか?―――
まとめの場面では、考えの根拠を地図太郎Liteで表現し、それを文章で説明させるようにしています。
これにより、生徒は地図太郎Liteを自らの考えを根拠づけるツールとして活用することができ、生徒の思考プロセスを可視化することにもつながります。
また、多くのレイヤを組み合わせながら考えを広げていくことで、型にとらわれない多面的な考え方を身に付けることができます。

△生徒がまとめの際に作成したポスター
地図太郎Liteを使った生徒の反応
―――授業で使われた際の生徒の反応はいかがでしたか?―――
導入したての頃は、レイヤが多いため混乱してしまう生徒や操作方法につまずいてしまう生徒が多く、段階を踏んで慣れてもらうように工夫しました。
慣れてくると、地図を重ねながら考えることへの関心が高く、地域の見方が広がった様子が見られました。

また、新たな気づきや疑問を見いだし、自ら問いを立てながら学ぶ姿も見られました。
さらに、言葉で考えを表現することが苦手な生徒でも、地図を用いることで自分の考えを示しやすくなり、対話やコミュニケーションのきっかけにもなっています。
地図太郎Liteは、生徒同士のコミュニケーションを促すツールとしても機能しています。

高校の地理総合を見据えた中学校地理学習と「地図太郎Lite」のこれから
―――高校の地理総合を見据えた中学校の地理学習において、どのような期待ができますか?―――
高校の地理総合では、ひとつの主題に対して様々な切り口から考察する力が求められます。
そのためには中学校の段階から多様な視点で事象を捉える思考力を育てておくことが重要だと考えています。
その点で、地図太郎Liteは数多くのレイヤが搭載されており、それらを重ね合わせて地域の特徴を読み取ることができるため、地理総合で求められる考察や分析に必要な地理的な思考力を育てるツールとして期待しています。

―――今後、地図太郎Liteはどんな活用をしていきたいですか?―――
地図太郎Liteに読み込むための地図データは、AIを用いて準備し、授業の中で活用しています。
今後は、データの準備だけでなく地図太郎Lite内でもAIを活用できるようになることで、地域の将来予測データの作成や、生徒が選択したレイヤの傾向分析も可能になると、活用場面がさらに広がるのではないかと期待しています。
また、現在は授業の導入からまとめまで幅広く活用していますが、今後は試験にも取り入れていきたいと考えています。
地図を重ね合わせながら自分の考えを整理・表現し、自ら立てた問いを説明できるような力を問う試験を実施していきたいです。
そのためにも、今後は世界の統計情報に関するレイヤがさらに充実することを期待しています。
―――地図太郎Liteを通して、生徒にどのような力を身に付けてほしいと考えていますか?―――
今後は、地図太郎Liteを用いたフィールドワークを実施したいと考えています。生徒が自分の目で現地の状況を観察し、そのうえで地図太郎Liteを使って自ら得た情報を地図化し、過去の統計情報等と比較することで、地域を多面的に捉える力を身に付けてほしいです。
また、地図から疑問を見いだし、実際に現地に足を運んで確かめ、考察・分析する力も育ってほしいと思っています。地図を手がかりに、自ら問いを立て、学びを得ていけるような生徒が増えてほしいです。
そのためにも、世界や日本の地域の変化を時系列で捉えられるレイヤがさらに充実すると、過去と現在を比較しながら考察を深める学びがいっそう進むのではないかと期待しています。






