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地図太郎Liteを利用した授業実践例と学習効果について

2021.06.11

東京電機大学中学校・高等学校(地歴公民科)矢口陽一先生
2021年3月15日インタビュー

 

「豊かな心・創造力と知性・健やかな身体」をそなえた人を育てることを教育目標とする東京電機大学中学校・高等学校において地歴公民科をご担当されている矢口陽一先生。

昨年4月から地図太郎Lite for Educationを導入いただき授業の中で生徒一人ひとりがGISを活用し、
①「知識・技能」②「思考力・判断力・表現力」③「主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度」をバランスよく育てることが必要だという考えのもと、意図的に知識や技能を使う場面を創出し、さらなる学習意欲に結び付ける働きかけを授業の中で実践しておられます。

今回は、矢口先生に地図太郎Liteを利用した授業の取り組みや生徒の反応、利用された感想などお話しいたただきました。

 

1:「地図太郎Lite for Education」の授業での利活用方法

2:生徒の反応と成果

3:「地図太郎Lite for Education」を利用した感想・今後の展望

 

「地図太郎Lite for Education」の授業での利活用方法

---地図太郎Liteを使ってどのような授業を実践しているのでしょうか?

大きく分けて二つの使い方をしています。
一つは通常教室で電子黒板を使って、教員が地図太郎Liteの画面を投影し図示するやり方、もう一つは、生徒一人ひとりがパソコンを操作し、地図太郎Liteを使って地図やデータを読み取る使い方をしています。


---授業の概要(学習活動とその狙い)を教えてください。

生徒個人にパソコンを操作させた授業では、GISを用いて二種類以上のデータレイヤー(※)を重ねて表示し、その地図やデータの差異や関連性を読み取ってレポートにまとめるというような授業を行いました。
基本的には、地図太郎Liteにあるどのデータを比べても良いということにしたので、これまでに身に付けた知識を活用して、どの地図を選び、どのようなことを読み取るかは生徒に任せています。
その過程で生徒の自主性を伸ばすことが出来ると考えています。

※レイヤー:アプリケーションやソフトで使われる仮想的なシート。複数のシートを重ねたり、別々に編集したりできる。

 

△実際の授業の様子

 

 

生徒の反応と成果

---地図太郎Liteを使用した生徒の反応はいかがでしょうか?

とても見やすく、直感的な操作が可能なので、生徒からもとても使いやすいという声が聞かれました操作の仕方も1時間~2時間で全員が覚えられました。

 

---生徒が使っている様子で気づいたことはありますか?

生徒はとても集中して作業を行っている様子でした。
生徒たちを見ていると、「これとこれは比較するとどんな事が分かるのだろう」と、友達同士で話し合ってる姿をよく見かけました。こちらから話し合うように指示を出しているわけではないので、まさに生徒が自発的に自主的で対話的な学びを行っているように見えました。
また、生徒が直感的に作業出来ているためか、操作方法についての質問はほとんど出ませんでした。
質問が出ても「大文字ってどうやって打つんですか?」くらいの本当に簡単な質問だけで、それくらい使いやすく、教えやすいものだと思いました。

 


△生徒たちが話し合って課題に取り組む様子

 

---レポートを作ってもらってよかった点は何ですか?

教員側では想定していなかったような気づきが多く得られるところです。
例えば、気候と紛争地域を比較した生徒がいたのですが、寒帯などの寒い地域よりは、熱帯地域の方が戦争や紛争が起こりやすいという事に気が付いた生徒がいました。
教員が見逃してしまいそうな点にも生徒自身が気づき、そこから自発的な学びが広がっていくということは非常にうれしいことだと感じています。

 

「地図太郎Lite for Education」を利用した感想・今後の展望

---地図太郎Liteを利用した感想

これまでもGISソフトを使った授業を実践しようとしたことはありましたが、外部からデータを取り込み、授業で使えるように加工するというところで大きなハードルがありました。
その点、地図太郎Liteは最初から教科書の単元に即したデータセットが揃っているのは大きな強みだと思います。
また、日本の統計データを扱うサイトというのはいくつかあるのですが、世界の統計データを扱うデータアプリというのはなかなかないのではないでしょうか。
一方、地図太郎Liteは世界的なデータも豊富に揃っていますので、世界的なデータを利用することができますし、必要に応じて行政のハザードマップや地図アプリなど、外部のGISサービスとも連携できる点も大きな強みではないかと思います。

 


---これからどのようにGISを使っていきたいか教えてください。

今回の授業ではGISの読み取り比較に重点を置きましたが、今後はGISを使って授業で学んだ知識や、身の回りのことを集約し、表現するような授業をやっていきたいと思っています。
GISを学ぶのではなく、GISを使って学べるような環境を整えていくことが今後の課題だと思っています。

 

 


こちらのインタビューの様子は以下の動画でご覧いただけます。

実際に授業で利用した生徒さんへのインタビューや、授業風景も撮影しています。


 

【協力:東京電機大学中学校・高等学校】https://www.dendai.ed.jp/

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