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「学習テーマ活用フロー」を参考にした授業例

2022.02.24

長野県松本県ケ丘高等学校  (地歴公民科)古林 阿沙子先生

 

長野県松本県ケ丘高等学校の授業例

 

長野県松本県ケ丘高等学校は、1923年(大正12年)に開校し間もなく100周年を迎える伝統校ですが、校訓である「縣陵三大精神」を“探究を実践し続ける人”であるために必要な 「確かな知・関わる力・挑戦する力」を育む生徒育成方針と読み換え、「信州学」を中心とする探究的な学びをはじめ、発展的な探究型学習を通して思考力・判断力・表現力や主体性・協働的に学ぶ「探究科」ではグローバル人材を育成する先進的な教育を行っている高校としても知られています。

また、平成30年度から生徒一人一台タブレットを取り入れ教育ICTツールの導入やインターネットを活用した授業、探究活動、学級・学校運営などに広く活用され、県内外からも注目されている学校です。

さらに、同校では小グループで生徒がお互いに意見を出し合う協働学習の形が積極的にとられており、協働的に学ぶことで、理解度に差がある生徒たちも主体的に学びに参加することができる工夫もされています。

URL:https://kenryo.ed.jp/

 

「地図太郎Lite」 は2022年4月から始まる地理総合での地理情報システムの活用を見越し生徒たちの探究心を育む視覚的な教材として2021年4月から社会科で利用いただいており、今回は、社会科の古林 阿沙子先生に、同校の地図太郎Liteの利用方法や使用した感想とともに活用事例報告もいただき、生徒が実際に作成したレポートや配布した課題プリントもご提供いただきました。

 

 

授業での地図太郎Liteの活用

活動事例報告

 

 

 授業での地図太郎Liteの活用

---地図太郎Liteを使ってどんな授業をされましたでしょうか?

地図太郎Liteは2学年の地理Bで利用し、まず統計地図を学習するため、グラフや色分け機能を用いた操作を生徒たちにしてもらいました。

 

 授業風景_県ケ丘高校

△授業の様子

 

次に、あらかじめ学習テーマとして地図太郎Liteに用意されている「風水害と洪水(長野県)」を用いて、レポートを作成するという課題を行いました。

生徒は2人で1台のiPadで地図太郎を起動し、ペアワークの形をとりながら、最終的には、作成した画像を共有し、各自がレポートにまとめました。

配布プリントにはアプリ内でダウンロードさせて頂いた「学習テーマ活用フロー」を参考にさせて頂きました。

授業展開を考えるにあたり、実際の授業をイメージしやすくて活用しやすい資料でした。

 

---学習テーマ活用フローは授業を進めるうえで手がかりとなればと思い作りました。授業のお役に立ててよかったです。

テーマ活用フロー_サンプル △テーマ活用フロー

 

 

 

 

 

活用事例報告

地図太郎Lite 活用事例報告(一部抜粋)


2.対象生徒 2学年 地理B

3.単元 第1章 地理情報と地図 第3節 地理情報の地図化

 

4.授業の概要

生徒が地図太郎Liteを使うのは、この授業が2時間目である。前回は、基本的な操作の確認と統計地図の作成を行った。

今回は、「令和元年東日本台風」を題材として、地図太郎Liteを用いてレポート作成を行った。学習テーマ「57 風水害と洪水(長野県)」を中心に、必要な情報を重ねて、被害の状況を把握し、ハザードマップと比較しながら、災害から身を守るためにどのような行動が必要かレポートにまとめた。レポートの作成にはロイロノートを用いた。

 

5.授業者より

地図太郎 Liteは直感的な操作で地図を作成することができるため、生徒はすぐに操作を習得した。1時間目には、地図や統計資料を使って、地図表現による印象の違いを体感した。2時間目(本時)は、テーマに沿って、必要な情報を取捨選択しながら地図を作成した。2人1組で1台のiPad を使うことで、共同作業をとおして生まれる学びがあった。また、地図太郎 Lite で作成した地図をロイロノートのシートに貼り付けることで、限られた時間のなかで学習の成果をまとめることができた。

 

6.生徒の作成したレポートの例

 

生徒レポート 県ケ丘高校

 

 

実際にいただいた活用事例報告書はこちら

 
 
配布プリント

3.GIS を防災に役立てよう


課題

 

学習テーマ「57 風水害と洪水(長野県)」 … 令和元年東日本台風(台風 19 号)

次の①~③の Step ごとに必要なレイヤーを重ね、統計地図を作成しましょう。作成した地図は Step ごとに保存し、考察とともにロイロノートで提出して下さい。

ポイント:情報をわかりやすくするために、不要なレイヤーは非表示にする。

 

Step① 長野市を中心とする長野盆地の地形の高低と、令和元年東日本台風(台風 19 号)の千曲川における浸水被害を比較しましょう。どのようなことがわかりますか。

Step② 浸水想定図(洪水)と実際の浸水を比較しましょう。どのようなことがわかりますか。

Step③ 台風 19 号積算雨量が多い地域はどこでしょうか。また、浸水の被害が大きかった長野市は、千曲川の上流・中流・下流のどれにあたりますか。そして、これらを踏まえ、災害から自分の身を守るためにどのようなことを学ぶことができるでしょうか。

 

 

生徒に配布された実際の課題プリントはこちら(一部加工)

 

---いただいた、活用事例報告を拝見しましたが、先生の質問の内容から生徒たちがそれぞれ情報を読み取り様々な視点でデータを観察し、読み解き発見している様子がうかがえます。

 

 

 

---地図太郎Liteをほかに活用した場面があれば教えて下さい。

 

夏以降の授業では「自然環境」の範囲にはいり、資料集の内容ではわかりにくい大気大循環や海流など、電子黒板に写して使用させて頂きました。

視覚的に仕組みを見せることができ、生徒のリアクションもよく、理解度が高かったです。

 

【協力:松本県ケ丘高校】https://kenryo.ed.jp/

 

 
 
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